ガーデン ご紹介

花花

チャーク城   Chirk Castle
               2011年9月29日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

チャーク城の優美な鉄の門(Iron Gates)を見上げる(写真下左)。1719年にできたものだという。上部の紋章は1595年からこの城の主となった ”Myddelton家”のものだ。真ん中の一番高いところに見える赤い部分は”血塗られた赤い手”だ。その伝説については こちらをどうぞ。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

チャーク城の建設は1295年に始まり1310年に完成している。イギリスに征服される前の最後のウェールズの城なのだ。 現在はナショナル・トラストの管理だ。4つのタワーを城壁で繋いだ構造は正に要塞だ。北側の入り口は極めて狭く造られ、堅い守りを偲ばせる。 写真上右のスナップの後ろがそれだ。スナップの中世の兵士(射手)の扮装をしているのはウィル(Will)という男性で、城内の案内をしてくれるようだが、 言葉が分からないので記念写真のみで辞退する。城は防衛のため丘の上にあるので見晴らしも抜群だ。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

狭い入り口から中庭に入る(写真上左)。殺風景なほど何もないが、今もMyddelton家の末裔がお住まいだと聞く。
東面の城壁は蔓性植物で覆われ、紅葉が始まっており美しい。その並びにイチイのヘッジやトピアリーで囲まれたフォーマル・ローズ・ガーデンがある(写真上右、下4枚)。 バラの盛りは外れたが、なかなかに厚い植栽だ。サンダイアルは1696年の制作だという。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

整形式ガーデンから西に見事に手入れされた芝の広場の斜面を下って行く(写真上の上右から2枚目)。インフォーマル・ガーデンだ(Informal Garden)。 左手はイチイの生垣に沿ってボーダーが連なり(写真下左)、右手は広葉樹や針葉樹の爽やかな林が広がっている。
先の方に懐かしいコテージが見えてくる。オリジナルは1766年に温室(Greenhouse)として建てられたもので1912年に立て替えられ、 その後、鷹の小屋として使用したので"Hawk House"と呼ばれる(写真下右3枚)。19世紀末に流行したコテージガーデンというには歴史が違うが、 絵に描いたような美しさだ。何か夢を見ているような心持ちで飽くことなく周囲を徘徊する。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

ここはウェールズ、イングランドと異なり起伏のあるグランドがガーデンに広がりを与える。緩やかな斜面を引き返す。午前中なのに汗ばむほどの陽気になってきた。 丘の上の城が夏のような陽光に光って見える(写真下左から2枚目)。その城の東の高台(East Elevation)のイチイのトピアリーに囲まれた芝の広場が 17世紀に始まるフォーマルガーデンだ(写真下右から2枚目)。このイチイの木は1872年に植えられたものだという。 このガーデンには3人のフルタイムのガーデナーと8人のボランティアがいるのだが、この芝刈りに3日間、トピアリーの刈り込みには2ヶ月を要するのだという。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

フォーマルガーデンの隅にブロンズ像が4体見られる。1つはバラの花を持つ少女像(写真下左)だが、残る3つは明らかに作風が違う。
左から2枚目はゆりの花を胸に抱いているが、足元を見ると蛇を踏んでいるのだ。この像はまだしも布を腰に巻いているが、残る2体は全裸の像だ。 その上、右から2枚目は後ろ手に縛られているし、右は目隠しをされている。何を意味するものなのか、背筋がぞくぞくするようなおどろおどろしいものだ。 明るい太陽の下だが、一帯が暗くなったような感じもする。
帰国後、調べてみると、Andrea Carlo Lucchesiという英国で活躍したイタリア人彫刻家の19世紀末から20世紀初めの作品らしい。 タイトルは左から2枚目が"Oblivion"、ユリにうっとりして我を忘れている状況を差すのだろうか。右から2枚目は"Vanishing Dream"、 捉えられ縛られた状況が”消える夢”なのだろう。右は"Destiny"というタイトルだ。アートは難しい。

Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle Chirk Castle

Information
 Address  Chirk, LL14 5AF
 Telephone  01691 777701
 Web Site  Chirk Castle

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

ご意見・ご感想・ご質問などご遠慮なくお寄せください。
book

home

花花